社内イベントの作り方
社内イベントの予算が足りなくなる本当の理由は「金額」ではありません!プロが解説。
社内イベントで「予算が足りない」と感じる場面はよくありますが、実は金額そのものが原因ではないことがほとんどです。準備を進める中で、やりたいことが増え、何を大切にするイベントなのかが整理されないまま進んでしまうことで、予算が苦しくなっていきます。最初に優先順位を決めておけば、削る判断にも迷いません。予算の悩みは、お金の問題ではなく、順番の問題だと言えます。
「予算が足りない」と感じる瞬間は、だいたい決まっている
社内イベントの準備を進めていると、あるタイミングで急に不安になる瞬間があります。
見積もりを並べて眺めているとき、上司に数字を説明しようとしたとき、あるいは企画が固まり始めた頃。
「あれ、思っていたより予算が厳しいかもしれない」。多くの担当者が、ほぼ同じ場面でこの感覚を味わっています。
不思議なのは、最初から「予算が足りない」と分かっていたケースは、実はそれほど多くないということです。スタート時点では「このくらいなら大丈夫だろう」と思っていたはずなのに、進めるほどに合わなくなっていく。このズレが、担当者を一気に追い込みます。
その結果、「やっぱり社内イベントはお金がかかる」「予算が少ない会社には無理なんだ」という結論にたどり着いてしまうことも少なくありません。ただ、私たちが現場で見てきた限り、本当に予算が足りないケースは、実はそれほど多くないというのが正直な実感です。
制作がすすんでいるとあれっ?と思うことありませんか?最初から予算がはまっていないでスタートすることは少なく、制作開始時の調整したものの企画が進んでいくとずれていくことがあります。今回はこのあたり整理していきましょう!
多くの場合、問題は金額そのものではありません。
もっと手前の、「考え方」や「決め方」に原因があります。
この記事では、社内イベントの予算がなぜ合わなくなるのかを、金額以外の視点から整理していきます。予算を増やす話ではありません。限られた予算の中で、どう考え、どう決めるべきかを一緒に整理していきましょう!
社内イベントの予算は、最初から曖昧なまま始まっている
社内イベントの予算は、意外なほど曖昧な状態でスタートすることが多くあります。
「去年がこのくらいだったから」「他社事例を見るとこの辺りかな」。こうした感覚的な数字が、いつの間にか前提条件として扱われてしまいます。
もちろん、年度予算や想定枠が決まっている会社もあります。ただ、その内訳まで明確になっているケースは多くありません。何に、どれくらい使うのかが整理されないまま、数字だけが先に走ってしまうのです。
この状態で企画を考え始めると、後から必ず歪みが出ます。
なぜなら、予算が「設計条件」ではなく、「制限」として扱われてしまうからです。結果として、「やりたいこと」と「使える金額」の間にズレが生まれます。
本来、予算は企画を縛るためのものではなく、何を大切にするかを決めるための材料です。ところが、目的や優先度が整理されないまま数字だけが決まると、予算は単なるブレーキになってしまいます。
予算が合わなくなるイベントの多くは、この段階ですでにズレの種を抱えています。問題は、まだ表面化していないだけです。
「やりたいこと」は、放っておくと必ず増えていく
企画を考え始めると、不思議なほどアイデアは増えていきます。
「せっかくなら演出も入れたい」「ここまでやるなら映像もあった方がいい」「参加者の満足度を考えると、これも必要かもしれない」。どれも間違いではありません。
間違ってはいけないのは、企画が増えていく、やりたいことが増えていくことは良いことです!企画を考えていると少しずつ現実的に見えてきてワクワクし、企画が膨らんでいくことがあります。膨らんだ企画をどのように整理していくかが大切です。
問題は、それらが足し算だけで積み上がっていくことです。
誰かが悪いわけではなく、真剣に考えているからこそ起きる現象です。ただ、足し算には終わりがありません。
この段階では、まだ予算オーバーは表面化していないことも多く、「少し調整すれば大丈夫だろう」という感覚で進んでいきます。しかし、要素が増え続けた結果、後半になって一気に現実が追いついてきます。
ここで多くの担当者が、「やっぱり予算が足りなかった」と感じます。
けれど実際には、足りなくなったのはお金ではなく、整理する時間と判断軸です。
やりたいことが増えるのは自然なことです。
問題は、それを取捨選択する基準が存在しないまま進んでしまうことにあります。
優先順位が決まっていないと、削る判断ができなくなる
いよいよ予算調整のフェーズに入ると、担当者は大きな壁にぶつかります。
「どこを削ればいいのか分からない」。
すべてが必要に見えてしまい、どれも削れない。結果として、調整は後回しにされ、最終盤で無理な判断を迫られることになります。これが、社内イベントが一番しんどくなる瞬間です。
この状態に陥る原因は明確です。
最初に優先順位が決まっていないからです。
もし「このイベントで一番大切にしたいこと」が明確であれば、判断はそこまで苦しくなりません。軸から外れるものは、自然と候補から外れていきます。
削ることは、妥協ではありません。
選択です。
優先順位が必要なイベントでは、「削る」ではなく「選ぶ」という感覚で調整ができます。一方、軸のないイベントでは、削る行為が“否定”に感じられ、誰も決断できなくなります。
予算が苦しくなる原因は、金額ではなく、決断を支える基準がないことなのです。
予算が合わなくなる会社に共通する考え方
これまで多くの社内イベントを見てきて感じるのは、予算が合わなくなる会社には、いくつか共通する考え方があるということです。
一つは、目的よりも手段が先に立っていること。「何を伝えたいか」より先に、「何をやるか」が決まってしまいます。すると、手段が増えた分だけ、予算も膨らみます。
もう一つは、関係者ごとにゴールイメージが違うこと。
経営、担当者、協力部署。それぞれが思い描くイベント像がズレたまま進むと、「念のため」の要素が増えていきます。
結果として、すべてを少しずつ取り入れた、輪郭のぼやけたイベントになります。そして最後に、「こんなにかかるとは思わなかった」という話になるのです。
ここでも、問題は金額ではありません。
優先順位が共有されていないことが、すべての原因になっています。
予算がうまく収まるイベントは、最初に「やらないこと」を決めている
一方で、限られた予算でも無理なく進んでいくイベントには、明確な共通点があります。それは、「やらないこと」が最初に決まっていることです。
「このイベントでは、ここは追わない」
「今回は、ここに力を集中させる」
この線引きができていると、途中で追加のアイデアが出ても判断がブレません。すべてを採用するのではなく、軸に照らして選び続けることができます。
結果として、予算管理が特別な作業になりません。
なぜなら、判断基準が最初から存在しているからです。
重要なのは、予算を削ることではなく、優先順位を守り続けることです。
この意識があるだけで、イベントの進み方は大きく変わります。

まとめ|予算の問題に見えて、実は「優先順位」の話
社内イベントの予算が合わなくなるとき、多くの場合、原因は金額そのものではありません。
本当の問題は、「何を一番大切にするか」が整理されないまま進んでしまうことです。
優先順位が決まっていないと、やりたいことは増え続け、削る判断もできず、結果として予算が苦しくなります。一方、軸が明確なイベントは、限られた予算でも納得感のある形に収まります。
大切なのは、「いくら使えるか」ではなく、「何を守るか」。
予算に悩んだときこそ、数字を見る前に、目的と優先順位に立ち返ってみてください。
そこが整理できたとき、予算は“敵”ではなく、イベントを形にするための味方になります。
予算組みや、設計に課題感のある企業様はまずご相談ください。GROWSでは予算策定のサポートも行っております。ぜひご連絡ください!
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