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社内イベントの作り方

社内イベント/表彰式は本当に必要?やらない場合に起きる3つの問題をプロが解説


社内イベントについて「本当に必要なのだろうか」と感じるのは、ごく自然なことです。ただ、実施しない状態が続くと、組織の一体感が少しずつ薄れたり、頑張りや成果が見えにくくなったり、会社の想いや歴史が共有されにくくなることがあります。一方で、目的が曖昧なまま行うイベントは、かえって負担になる場合もあります。大切なのは、やる・やらないではなく、組織の状態に向き合いながら、その意味を考えることです。


社内イベントの役割は「盛り上げること」だけではないということ

社内イベントという言葉を聞くと、多くの人が真っ先に思い浮かべるのは「レクリエーション」や「余興」かもしれません。楽しい時間を過ごす場、というイメージです。もちろん、それも間違いではありません。

ただ、社内イベントの本質的な役割は、そこだけではありません。
むしろ重要なのは、「会社として何を大切にしているのか」「どこに向かおうとしているのか」を、同じ空気の中で共有する場であるという点です。

日常業務では、どうしても部署ごと・役割ごとに視点が分かれます。経営の考えや会社全体の方向性が、メールや資料だけで十分に伝わることは、実はあまり多くありません。

社内イベントは、そのギャップを埋めるための装置です。
同じ時間、同じ場所で、同じ話を聞き、同じ体験をする。その「場」そのものに意味があります。

だからこそ、目的が整理されないまま「とりあえずやる」イベントは、逆効果になることもあります。一方で、意味を持って設計されたイベントは、短時間であっても組織に強い印象を残します。

社内イベントは、盛り上げるためのものではなく、組織の状態を映し出す鏡のような存在だと、私たちは考えています。

社内イベント開催の目的は様々ありますが、ただ集まるや、ただ開催するのではもったいないです。盛り上がることも大切ですが、盛り上がるだけで終わらないように設計することも大切なポイントです。継続性のある企画、持続性のある文化を作っていきましょう。


問題① 組織の空気が少しずつバラバラになる

社内イベントを実施しない期間が長くなると、まず起きやすいのが「空気の分断」です。
部署ごとに価値観や温度感がズレていき、「会社全体としての一体感」が少しずつ薄れていきます。

皆さんの会社でも、ちょっとしたズレを感じることってありませんか?ちょっとしたズレや温度感のズレは時間とともに大きくなり少しずつ歪みが出てしまうものです。

日常業務では、どうしても自分の担当領域に意識が集中します。それ自体は悪いことではありませんが、会社としての共通認識や目線をそろえる機会がないと、「自分の仕事だけやっていればいい」という空気が広がりやすくなります。

特に、経営からのメッセージは要注意です。
文章や資料としては発信されていても、「実感」を伴って届いているかどうかは別問題です。結果として、同じ会社にいながら、見ている方向が微妙に違う状態が生まれます。

こうしたズレは、すぐに大きな問題として表に出るわけではありません。ただ、少しずつ、確実に蓄積していきます。そして、組織に何か変化が起きたとき、そのズレが一気に表面化することがあります。

社内イベントは、こうしたズレをリセットする数少ない機会です。
「同じ空気を吸う時間」を意図的につくることが、組織にとって持つ意味は、決して小さくありません。

社内イベントの効果は、数字だけで測ることは難しく説明が難しいものがあります。なんかいいね。なんかよかったね。楽しかったね。小さいですがこのような声をひろがっていくことが良い会社づくりの根幹かもしれませんね。


問題② 頑張っている人が、正しく称賛されなくなる

社内イベントをやらないことで、もう一つ起きやすいのが「称賛の不足」です。
日々の業務の中で成果を出していても、それが会社全体に共有される機会は意外と少ないものです。

評価制度としては存在していても、「誰が、どんな背景で、どんな価値を生み出したのか」が見える形で伝わる場がなければ、称賛は個人の中で完結してしまいます。

その結果、頑張っている人ほど「自分の仕事は誰にも見られていないのでは」と感じてしまうことがあります。また、周囲にとっても、どんな行動が評価されるのかが分かりにくくなります。

社内イベント、とくに表彰の場は、単なるご褒美ではありません。
会社が大切にしている価値観を、具体的な人物や行動を通して示す場でもあります。

こうした機会がない状態が続くと、組織の中にロールモデルが育ちにくくなり、結果としてモチベーションの低下や、挑戦を避ける空気につながっていくこともあります。

称賛は、放っておくと自然には生まれません。
意図的に「見える形」にする場が必要です。


問題③ 会社の想いや歴史が、次の世代に残らない

もう一つ見過ごされがちなのが、「会社のストーリー」が引き継がれなくなる問題です。
創業の背景や、これまで乗り越えてきた出来事、節目ごとの判断。その多くは、日常業務の中では語られません。

特に、社員の入れ替わりがある組織では、会社の過去を知る人が少しずつ減っていきます。結果として、「この会社は何を大切にしてきたのか」「なぜ今の形になっているのか」が分からないまま、仕事だけが続いていく状態になります。

これは、帰属意識や当事者意識に少なからず影響します。
会社に対する理解が浅いと、「ここで働く意味」を見出しにくくなるからです。

社内イベントは、こうしたストーリーを共有する貴重な場です。
過去を振り返り、今を確認し、未来につなげる。その流れを体験として共有できる機会は、実はそれほど多くありません。

イベントをやらないことで失われるのは、単なる行事ではなく、会社の文脈そのものなのかもしれません。

周年イベントを開催する企業がおおくあります。周年イベントを開催する目的は、過去現在未来をつなぎ一本の線にすることにあります。とても大切で長い企業の歴史において節目というのは、とても大切です。


それでも「やらなくていい」ケースもある

ここまで読むと、「やはり社内イベントはやるべきなのか」と感じるかもしれません。ただ、私たちはすべての会社に対して「必ずやるべき」とは考えていません。

例えば、
・目的がまったく整理されていない
・やること自体がゴールになっている
・誰のためのイベントか分からない

こうした状態で無理に実施しても、かえって逆効果になることがあります。参加する側にとっても、準備する側にとっても、負担だけが残ってしまうからです。

大切なのは、「やるか・やらないか」ではなく、なぜやるのかを説明できるかどうかです。
説明できない場合は、一度立ち止まるという判断も、立派な選択だと思います。

社内イベントは万能薬ではありません。
ただし、使いどころを間違えなければ、組織にとって非常に強力な手段になります。


まとめ|社内イベントは「必要かどうか」ではなく「どう向き合うか」

社内イベントについて考えるとき、つい「必要か・不要か」という二択で判断してしまいがちです。しかし、本当に大切なのは、そのイベントが組織にとってどんな役割を果たすのかを整理することです。

やらない選択が正しい場合もありますし、やることで初めて見えてくる課題もあります。重要なのは、感覚や慣習ではなく、目的と向き合って判断することです。

もし今、「社内イベントをどうするべきか」で悩んでいるのであれば、まずはイベントそのものではなく、組織の状態や課題から考えてみてください。
その整理ができたとき、やる・やらないの答えは自然と見えてくるはずです。

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このコラムを書いた人

株式会社GROWS

株式会社GROWS

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