社内イベントの作り方
社内表彰式の企画アイデアまとめ|感動と一体感が生まれる演出例を解説
「表彰だけ」では、どうしても物足りなく感じてしまう
社内表彰式を企画するとき、多くの担当者が同じところで悩みます。
賞の内容や受賞者は決まっている。でも、それをどう見せればいいのかが分からない。淡々と表彰するだけでは少し味気ない気もするし、かといって余興を入れるのも違う気がする。結果として、「何か企画を入れた方がいいのかな」と考え始めるのですが、ここから手が止まってしまうケースは少なくありません。
よくある勘違いは、表彰式の企画=盛り上げ要素、という捉え方です。もちろん空気を動かすことは大切ですが、社内表彰式の場合、それだけを目的にしてしまうと、企画が浮いてしまうことがあります。表彰式はパーティーではなく、「称える」「伝える」ための場だからです。
企画の役割は、表彰の意味を補強すること。受賞者の価値や会社の考え方を、より伝わりやすくするために存在します。この記事では、実際の現場でよく使われている企画を紹介しながら、なぜその企画が機能するのかを整理していきます。
企画① 受賞者ストーリー紹介企画
表彰理由を「情報」ではなく「体験」に変える
表彰式でよく見かけるのが、司会者が表彰理由を読み上げるスタイルです。もちろん最低限の情報としては十分ですが、それだけでは受賞者の背景や価値が会場全体に伝わりきらないことがあります。
そこで効果的なのが、受賞者のストーリーを紹介する企画です。成果だけでなく、そこに至るまでのプロセスや周囲との関わりを丁寧に拾い、言葉や映像で届けます。ポイントは、作り込みすぎないこと。短いエピソードでも、「どんな姿勢が評価されたのか」が伝われば十分です。
この企画が機能する理由は、受賞者以外の人にも意味が届くからです。自分の仕事と重ね合わせながら聞くことで、「この会社は、こういう行動を大切にしているんだ」というメッセージが自然に伝わります。表彰を「自分ごと」に変えるための、王道の企画と言えます。
企画② 上司・同僚からのメッセージ企画
評価ではなく「承認」を可視化する
表彰は会社からの評価ですが、それだけで終わってしまうと少し距離を感じることがあります。そこで効果を発揮するのが、上司や同僚からのメッセージを紹介する企画です。
一緒に働いてきた人の言葉には、制度的な評価とは違う重みがあります。「どんな場面で助けられたのか」「どんな姿が印象に残っているのか」。こうした言葉は、受賞者本人だけでなく、会場全体の空気を温かくします。
ただし注意点もあります。メッセージが長くなりすぎると、内輪感が強くなり、テンポが崩れてしまいます。短く、具体的に。伝えたいポイントを一つに絞ることで、言葉はより強く残ります。表彰式を「承認の場」に変えるための企画です。
企画③ ノミネート発表・期待演出企画
表彰の瞬間までを「流れ」として設計する
名前を呼んで、登壇して、表彰する。この流れ自体はシンプルですが、少し工夫するだけで、会場の集中度は大きく変わります。その一つが、ノミネート発表を取り入れる企画です。
最初に候補者を紹介し、会場の期待感を高めた上で受賞者を発表する。これだけで、表彰の瞬間が特別なものになります。大切なのは、過度に煽らないこと。あくまで称えるための演出であり、競争を強調しすぎない設計が必要です。
この企画は、参加者数が多い表彰式や、全社的な賞で特に効果を発揮します。表彰を「点」ではなく「流れ」で捉えることで、会場全体が同じ瞬間を共有しやすくなります。
企画④ 経営メッセージ連動企画
表彰を会社の方針とつなげる
表彰式が終わったあと、「良い式だった」で終わってしまうことがあります。その原因の一つが、表彰と会社の方向性が結びついていないことです。
そこで有効なのが、経営メッセージと表彰内容を連動させる企画です。経営が語る言葉と、表彰される行動を重ねることで、「なぜこの人が称えられたのか」がより明確になります。
ここで重要なのは、経営メッセージを長く語らないこと。表彰を補足する位置づけで、短く、的確に添えることで、表彰式全体の説得力が上がります。周年やキックオフと組み合わせる場合にも相性の良い企画です。
企画⑤ 会場参加型リアクション企画
受賞者以外を「当事者」にする
表彰式が「見るだけ」のイベントになってしまうと、どうしても一体感は生まれにくくなります。そこで考えたいのが、会場全体を巻き込むリアクション企画です。
難しい仕掛けは必要ありません。拍手のタイミングを揃える、簡単な投票やリアクションを取り入れるなど、小さな工夫で十分です。大切なのは、参加者が表彰に関わっていると感じられることです。
オンラインやハイブリッド開催の場合でも、この考え方は変わりません。形式に合わせて方法を変えるだけで、表彰式の空気は大きく変わります。受賞者だけでなく、参加者全員がその場にいる意味を感じられる企画です。

その他企画のご紹介します!
| No | 企画名 | 企画の解説 |
|---|---|---|
| 1 | 受賞者インタビューライブ | 表彰直後に本人の言葉を引き出すことで、成果の裏にある想いや人柄が伝わります。台本に縛りすぎず、その場の空気を大切にすることで、表彰が一気に「生きたもの」になります。 |
| 2 | 受賞者の一日紹介 | 成果だけでなく、日々どんな仕事をしているのかを紹介する企画です。特別な人ではなく、身近なロールモデルとして受賞者を捉えられるため、参加者の納得感が高まります。 |
| 3 | 社内推薦コメントの集約 | 同僚や上司の声を通して受賞理由を伝えることで、評価の透明性が生まれます。会社だけでなく、周囲からも認められている事実が、表彰の説得力を高めます。 |
| 4 | 表彰理由ナレーション企画 | 第三者視点のナレーションで受賞理由を整理して伝える企画です。感情に寄りすぎず客観的にまとめることで、会場全体が落ち着いて受賞の価値を受け取れます。 |
| 5 | 過去受賞者からのメッセージ | 以前の受賞者が当時を振り返り、今の立場から語ることで、表彰が一過性で終わらないことを示せます。継続開催している表彰式と相性の良い企画です。 |
| 6 | 受賞者の挑戦ヒストリー | 成功だけでなく、うまくいかなかった経験や試行錯誤も含めて紹介します。結果以上にプロセスを伝えることで、挑戦していい空気を社内に広げられます。 |
| 7 | 受賞者の裏側紹介 | 表に出にくい努力や、受賞者を支えてきたメンバーの存在に光を当てる企画です。個人表彰でありながら、自然とチームへの感謝が伝わる構成になります。 |
| 8 | 表彰×社内価値観解説 | 受賞理由を会社のバリューや行動指針と結びつけて言語化します。表彰が単なる結果発表ではなく、価値観を共有・再確認する場として機能します。 |
| 9 | 受賞者フォトセッション | 表彰の瞬間を写真として残すことを前提にした企画です。当日の記憶だけでなく、後から振り返れる記録が残ることで、表彰式の価値が長く続きます。 |
| 10 | 受賞者コメント即時共有 | 受賞者のコメントをリアルタイムでスクリーンに表示することで、会場全体の一体感が生まれます。オンラインやハイブリッド開催でも使いやすい企画です。 |
まとめ|表彰式の企画は「派手さ」ではなく「文脈」で選ぶ
社内表彰式の企画を考えるとき、つい新しさや派手さに目が向きがちです。ただ、本当に大切なのは、その企画が表彰の意味をどう補強するかです。
良い企画ほど、表彰の文脈の中に自然に溶け込んでいます。すべての企画を入れる必要はありません。表彰式の目的に合ったものを選び、丁寧に設計することが、感動と一体感につながります。
迷ったときは、「この表彰式で、何を残したいのか」に立ち返ってみてください。企画は、その答えを伝えるための手段にすぎません。
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