社内イベント制作ストーリー【第4章_プログラム作りとスタッフ確保に悪戦苦闘!】

会場がほぼ決まり、次はいよいよプログラム作りに着手する段階になった。
「笑顔でつながる時間」というテーマは決まったものの、それをどう具体化するか——ここが一番の腕の見せ所だ。


最初の週末、私はノートとカラーペンを持ってカフェにこもった。
ラテの湯気を眺めながら、思いつく限りのアイデアを書き出す。
オープニングは映像で一気に空気を温めたい。部署対抗のゲームで自然な交流を生む。歓談タイムにはちょっとしたクイズやフォトスポットを用意して、最後は当日の写真を使ったスライドショーで余韻を残す…。

書き出しているうちは楽しい。けれど、ペンを置いた瞬間、不安が押し寄せる。
「このゲーム、本当に全員が楽しめる?」「持ち時間、足りるかな?」「司会は誰に頼む?」
頭の中で疑問符が次々に増えていく。プログラムはただ並べればいいわけじゃない。流れ、テンポ、参加者の集中力の波——それらを計算しながら構成する必要がある。


悩みを抱えたまま翌週を迎えた私は、前回会場探しでお世話になったGROWSの島田さんに思い切って電話をかけた。
「部署ごとの対抗戦をやろうと思うんですが、盛り上げるコツってありますか?」
電話口で少し間が空き、柔らかな声が返ってくる。


「大事なのは“見て楽しい”と“やって楽しい”の両方を成立させることです。出場しない人も置いてきぼりにならないように、応援や参加できる仕掛けを組み込みましょう。」

その瞬間、頭の中で何かがカチリと音を立てた気がした。
そうか、私は“競技に出る人”だけを参加者だと思い込んでいた。でも会場には、見ている人も大勢いる。全員が主役になれる工夫——それが欠けていた。


数日後、私はGROWSのオフィスを訪ね、島田さんと向かい合ってホワイトボードに向かった。
「ゲーム中は大型スクリーンにスコアをリアルタイム表示。歓談タイムにはフォトコンテストを仕掛けましょう。撮った写真を社内SNSに投稿してもらって、抽選で景品が当たる仕組みです。」
「いいですね、会場全体が一体感に包まれそう。」
アイデアは会話のキャッチボールのようにテンポよく形になっていく。社内だけで考えていたら何日もかかっていたことが、プロと組むとあっという間に方向性が固まる。

「こういうのって、やっぱりスピード感が違いますね。」と私が言うと、島田さんは少し笑って「経験値の差ですね」と肩をすくめた。


次の課題はスタッフ確保だ。
総務だけでは到底回らない。受付、誘導、ゲーム進行、フォトブースの運営…考えるだけで人手が必要だとわかる。

全社メールで「スタッフ募集!」と送ったが、返ってきたのはわずか2件。正直、心が折れそうになった。
そんなとき、ランチに誘ってくれた同期の美咲が、フォークをくるくる回しながら言った。
「だったら、“楽しい役割”に名前を変えてお願いしてみたら?例えば“受付担当”じゃなくて、“おしゃれフォトブースの案内役”とか、“ゲームの司会サポート”とか。名前だけでも楽しそうな方が人は集まるよ。」

そのアイデアに「なるほど!」と膝を打ち、翌日さっそく試してみた。すると驚くことに、その日のうちに5人から「やります!」と返事が来たのだ。


スタッフが集まり始めると、空気が変わった。
会議室で集まってゲームのリハーサルをしたり、フォトブースの飾り付け案を出し合ったり——笑い声が飛び交い、アイデアが次々に生まれる。
最初は「私のイベント」だったものが、少しずつ「みんなのイベント」になっていく。

GROWSからは当日の運営マニュアルのひな形と、分刻みのタイムスケジュールのサンプルが送られてきた。
「オープニング挨拶 5分」「音響キュー:BGMフェードアウト」「ゲームスタートコール:司会より」——その細かさに圧倒されつつも、「ここまで準備すれば安心だ」という気持ちが湧いてくる。

夜、自宅で最終版のプログラム表を見つめながら、ふと気づいた。
このイベントはもう、私一人のものじゃない。
同期、美咲、スタッフとして手を挙げてくれた人たち、そしてGROWSのサポート。多くの人の手によって形作られている。

「これなら、きっと“笑顔でつながる時間”になる。」
そう確信した瞬間、胸の奥が熱くなった。


そして私は気づく。
本当の勝負は当日ではなく、この「準備の過程」そのものなのだと。
準備でどれだけチームが一つになれるか。それが、当日の笑顔の数を決める——そんな確信を抱きながら、私は次の広報戦略の準備へと歩を進めた。


【第4章まとめ】社内イベントの集客と参加意欲を高める方法

  • 明確なターゲット設定を行う
    社内イベントの集客を成功させるには、参加してほしい部署や社員層を明確にし、それに合わせた告知内容を作成することが重要です。
  • 魅力的なイベントテーマを設定
    「参加したい!」と思わせるテーマは集客の要です。季節や社内の状況に合わせたコンセプトを打ち出し、参加メリットを具体的に示しましょう。
  • 多様な告知チャネルを活用
    社内ポータル、メール、チャットツール、ポスターなど複数の手段を組み合わせることで、情報の到達率を最大化できます。
  • 事前のワクワク感を演出
    カウントダウン配信やティザー動画などを活用し、イベント前から話題を作ることで参加意欲を高められます。
  • 参加しやすい仕組みづくり
    日時や場所の選定はもちろん、オンライン参加やアーカイブ配信など柔軟な参加方法を用意すると参加率が向上します。
  • GROWSのノウハウ活用
    集客施策や演出企画の経験が豊富なイベント制作会社と連携することで、社内イベントの魅力を最大限に引き出すことが可能です。

【第5章_広報作戦開始 – イベント参加率を上げるために!】