ハイブリッドイベント
社内イベントの台本をAIで作る方法|ChatGPTを使った司会原稿・MC台本制作の進め方を解説
社内イベントの台本制作にChatGPTなどのAIを活用する企業が増えています。ただし、AIへ「台本を作ってください」と丸投げするだけでは、自社らしい言葉や感情のある台本は作れません。重要なのは、イベントテーマや会社情報、社長メッセージ、進行表などを事前に整理し、AIへ丁寧に共有することです。AIは、司会原稿やMCコメント、演出コメントの言語化をサポートする存在として非常に有効です。特に、シーンごとに対話しながら原稿を作ることで、より精度の高い台本を作成できます。
一方で、イベントの空気感や感情設計は、最終的には人が整える必要があります。AIによる効率化と、人による演出設計を組み合わせることが、これからの社内イベント制作では重要になっていきます。
社内表彰式、キックオフ、全社総会、懇親会——。
企業の社内イベントを開催する際、多くの担当者が最後まで悩み続けるものがあります。
それが「台本制作」です。進行表は作れた。会場も決まった。映像や演出の方向性も見えてきた。しかし、いざ司会原稿やMCコメントを書こうとすると、急に手が止まってしまう。これは社内イベント担当者なら、一度は経験したことがある悩みではないでしょうか。
台本制作って時間もかかりますし、大変な作業ですよね?
ただ、台本がないとイベントが成立しません。時間はかかってしまうが絶対に必要なものでもあり、苦戦することが多いかもしれません。
特に最近は、社内イベントに求められる役割が大きく変わっています。単に「開催するだけ」ではなく、
- 社員のエンゲージメントを高めたい
- 会社の想いを浸透させたい
- 経営メッセージを伝えたい
- 一体感を作りたい
- 感情が動く時間にしたい
と考える企業が増えています。つまり今の社内イベントは、情報共有の場だけではなく、
感情を設計する場へ変わってきているのです。だからこそ、台本の重要性も上がっています。
どんな言葉でイベントを始めるのか。
どんな言葉で社員を称えるのか。
どんな言葉で未来を語るのか。
その一つひとつが、会場の空気を大きく左右します。僕たちGROWSも試行錯誤しながらですが、「AIを使った台本制作」にチャレンジしています。その制作過程から見えてきた制作方法を今回は解説していきたいと思います。
AIに触れる機会が増えてきました。きっとこれから加速度的に増えていくものだと思います。社内イベントにおいてもどんどんAI化していくと思いますので、制作過程もアップデートされていくように思います。
ただ、AIだけで完璧な台本が作れるわけはなく、使い方を理解すると、台本制作のスピードも、言葉の整理力も、大きく変わります。今回は、イベント制作会社の現場視点で、「社内イベントの台本をAIで作る方法」を丁寧に解説していきます。
なぜ今、社内イベントの台本制作にAIが使われ始めているのか?
これまでイベントの台本制作は、かなり属人的な仕事でした。
経験のあるディレクターや演出担当者が、会社の雰囲気や社長のキャラクター、社員の温度感などを読み取りながら、一つひとつ言葉を作っていく。特に社内イベントは「正解」がない世界なので、担当者の経験値や感覚によって、台本のクオリティが大きく変わります。
例えば同じ「表彰式」でも、熱量高く盛り上げるべき会社もあれば、落ち着いた高級感を重視する会社もあります。社員同士の一体感を強く出したい会社もあれば、経営メッセージを丁寧に届けたい会社もあります。つまり台本制作とは、単に文章を書く作業ではありません。「その会社らしさ」を言葉に変換する作業なのです。
台本の作り方ひとつでイベント本番日のイメージはガラッと変わります!
その為台本作りには本来時間をかけて丁寧に行う必要があるのです。
しかし現実には、多くの社内イベント担当者が通常業務と並行しながらイベント準備を進めています。その中で、数時間、時には数日かけて台本を作るのはかなり大変です。だからこそ今、AIが注目されています。ただし、ここで誤解してはいけないのが、「AIが勝手に良い台本を書いてくれる」というわけではないことです。むしろAIは、「壁打ち相手」として使うことで力を発揮します。
例えば、
- 言葉を整理する
- コメントの方向性を考える
- トーンを調整する
- タイトル案を出す
- 表現を柔らかくする
- 感動的な言い回しを探す
こうした部分でAIは非常に強いです。特に社内イベントの担当者は、「何を言いたいか」は頭の中にあるケースが多いのです。ただ、それをどう言葉にすれば良いかわからない。AIは、その言語化をサポートしてくれる存在になります。
ステップ①AIで台本を書く前に、一番大切なこと
AIに「台本を作ってください」と丸投げしたくなるかもしれませんが、これは機能しません。この丸投げは新入社員にとりあえずやっておいて!という指示とほぼ同じです。
僕らもAIを使って丸投げを試してみましたが、やはり思うようにはいかなかったです。
まず最初に行うことは、しっかりと会社の情報をインプットしましょう。
例えば、
- どんな会社なのか
- 何を目的に開催するのか
- 社員に何を届けたいのか
- どんな雰囲気のイベントなのか
こうした背景がない状態では、さすがのAIもその自社らしい言葉は作れません。まずはしっかりと情報をインプットしていきましょう。例えば、会社のURL・会社概要・過去の社長のメッセージなどなるべく情報源となるものはインプットした方が良いです。
アップする情報にもよりますが、学習機能はオフにしておきましょう。機密情報などが含まれている場合は要注意です。このあたりはAIの使い方の基本としてマスターしておくべきとも言えます。
STEP② イベントのテーマを決める
AIを使って社内イベントの台本を作る時、最初に整理しておきたいのが「イベントのテーマ」です。
実はここが、AI活用で最も重要なポイントと言っても過言ではありません。なぜなら、テーマが決まっていない状態では、AIは無難な言葉しか作れないからです。
例えば、
「表彰式のオープニングコメントを書いてください」だけだと、多くの場合、「皆様、本日はお集まりいただきありがとうございます」から始まる、なんともない文章になりやすいです。まぁ違ってはいないのですが、自社らしさは出てないですよね。
例えば、同じ表彰式でも、
- 苦しい一年を乗り越えた会社
- 過去最高売上を達成した会社
- 組織変革の真っ最中の会社
- 新卒社員が急増している会社
では、会場の空気感がまったく違います。イベントの台本とは、単なる「進行説明」ではなく、会社の今を言葉にする作業になります。なので最初にテーマを決める必要があります。
例えば、
「挑戦」
「感謝」
「未来」
「変革」
「つながる」
「突き抜ける」
など。このテーマがあることで、AIはイベント全体の方向性を理解しやすくなります。例えば「挑戦」がテーマの場合、AIは自然と、
「新しい未来へ踏み出す」
「変化を恐れず前へ進む」
「ここから次のステージへ向かう」
といった、前進を感じる言葉を選びやすくなります。
例えば、ある企業の事例です。
業績好調の一年だったにも関わらず、テーマを「感謝」に設定しました。なぜかというと、その企業は数字よりも、「現場で支えてくれた社員への想い」を大切にしたかったからです。すると、イベント全体の演出方法・台本が変わります。単なるお祭りではなく、「仲間を称える時間」になるように台本を整理できました。
STEP③会社情報をChatGPTにインプットする
テーマが決まったら、次に行うべきなのが「会社情報の共有」です。ここは、AI活用において非常に重要な工程です。なぜなら、AIは当然ながらその会社の空気感がわかりません。
人間であれば、会場に行ったり、社員と会話したりすることで、「この会社は熱量が高いな」「落ち着いた雰囲気だな」と感じ取ることができます。しかしAIには、それができません。
例えば、以下のような情報は非常に重要です。
- 企業理念
- MVV
- 社長の考え方
- 社員の雰囲気
- 業界特性
- 年齢層
- 過去イベントの傾向
- 今年のトピックス
- 今、会社として伝えたいこと
例えば、
「全国の店舗社員が集まるイベント」
「若手比率が高い」
「体育会系で熱量が高い」
「現場社員を大切にする文化」
これだけでも、AIが選ぶ言葉はかなり変わってきます。
このフローは結構大切で、どのようなイベントなのか?会場はどこなのかなどの基本情報を入力していくと台本にずれがなくなっていきます。最初のインプットが何より大切です。
STEP③ 進行表を整理する
AIで台本を作る際、「進行表整理」です。エクセルなどでよいので当日の進行の流れを時間軸で整理していきましょう。誰がどのようなテーマで何を話すのか?登壇人数や登壇者情報をまとめておくとAIで台本を作成する際の制度が格段にアップします。
例えば進行表とはこのようなものです。詳しく作成できればできるほどAIの精度は上がっていきます。まずはこれを整理していきましょう。

STEP④ AIと対話しながら、シーンごとに台本を作っていく
AI活用で最も重要なのは、「一気に全部作らない」ということです。ここのAIとの対話方法でアウトプットがかなり変わります。
ここからが台本制作の工程となります。
実際のやり取りをベースに最適解をご紹介していきます。おそらくこの方法が最も精度高く、台本が作れると思います。
プロンプト:「まずは、客入れのコメントから作成します。来場者に着席促したり、会場の使い方などを説明する司会者のナレーションを作成して下ください。」
のような形でAIに入力します。その回答を台本のフォーマットに転記していきます。ちょっと違うな?と思う部分があれば書き換えていきましょう。
プロンプト:そろそろ本番が始まります。オープニング映像が開けた後に司会者にピンスポットが当たり語りが始まります。エモーショナルな演出で開始します。
このような形で次のシーンをAIに入力していきます。作りたいイメージ感をシーンごと伝えていくことで精度の高い台本になっていきます。
STEP⑤司会者の原稿を整理・体裁を整えます
ステップ④のような流れで会の最後まで進行を作った後に、体裁を整えていきます。BGMや照明演出など必要な要素を台本上に落とし込んでいき、台本に演出を加えていきましょう。AIと対話しながらシーンごとの原稿を作成したら、最後に司会者が実際に読みやすい形へ整えていきます。ここで大切なのは、AIが作った文章をそのまま並べるのではなく、本番の進行に合わせて「現場で使える台本」に仕上げることです。
例えば、BGMのありなし、照明の切り替え、映像の再生タイミング、登壇者の動き、マイクの受け渡しなど、司会者のコメント以外の情報も台本に入れていきます。社内イベントの台本は、単なる読み原稿ではなく、当日の進行を支える設計図になります。
また、文章の長さにも注意が必要しましょう。AIが作る文章は丁寧な反面、少し長くなることがあります。本番ではテンポが大切なので、読み上げた時に長すぎないか、会場の空気に合っているかを確認しましょう。
このフローが終わるとおおよそ台本は完成になります。一度出来上がったものを再度、冒頭から確認し、間違がないか?をチェックしていきます。

まとめ
ChatGPTを活用することで、これまで時間がかかっていた社内イベントの台本制作は、大きく効率化できる時代になってきました。特に、アイデア整理や言葉の言語化、MCコメントの叩き台作成など、AIは非常に強力なサポート役になります。
しかし一方で、AIに「台本を作ってください」と丸投げするだけでは、その会社らしい言葉は生まれません。大切なのは、イベントのテーマや会社情報、社長の想い、イベントの目的などをしっかり整理し、AIへ共有することです。
社内イベントの台本とは、単なる進行説明ではなく、「会社の思い」を社員へ届けるための言葉です。だからこそ、AIで効率化しながらも、最後は人が空気感や感情を整えていくことが重要になります。
これからの時代は、「AIによる効率化」と「人による感情設計」の両方が求められていきます。AIを上手く活用しながら、その会社にしか作れない伝わるイベントを目指していきましょう。
関連記事
ご依頼内容や課題をヒアリングのうえ、最適なご提案をさせていただきます。
お見積りや、ご相談は無料で承りますので、お気軽にお問い合わせください。


