2024.11.24
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本屋に行くと「褒め」をテーマにした本がたくさんあります。
今の主流は「褒める」ことであり、それこそがコミュニケーションと
言い換えてもいいくらいスタンダードになってきた「褒める」という行為。
ちょっと前までは「褒めると図に乗る」といわれ、
子供の頃にはよく褒められていた人も、大人になるにつれ褒められる機会も
少なるだけでなく、自分自身も人を褒めることをしなくなっていく・・・
そんな感じがしませんか?
これは、会社でも同じ状況が起こっています。
叱って育成もとても大事ですが、一方で褒めて育成することも同時にとても大事
になってきています。
特に表彰式などは褒めるイベント・褒める1日となることが多いです。
もちろん業績報告などの場面では、締めることも大事ですが・・。
今回は「褒める」という事を考えてみたいと思います。
風邪を引いた子供に「この薬を飲めば誰でも絶対に治る魔法の薬だよ!」
といって普通の飴玉をあげると、その翌日ケロっと治ってしまうということがあります。
プラシーボ効果と言われる現象で、純粋な子供がそれを信じることで
行動や身体にまで影響を与えるというものです。
これと似たようなもので教育心理学の世界で知られている
「ピグマリオン効果」というものがあります。
これは適度な期待があるとそれに応えようと奮起し、
結果的に期待を越える成果を挙げるというものです。
また褒められることによって、
人は気分がよくなり心が寛大になります。
それを受けて褒められた人は、他の人にも褒めようという行動に移る傾向にあります。
これは「間接互恵作用」といい別名「褒めの連鎖」とか
「ミラーリング効果」とも言います。
ちなみに自分を褒めてくれた相手を褒め返すことを
「直接互恵作用」と言います。
このように「褒める」という行為が職場やチームといった
組織に広まることで関係性が潤滑になるとともに互恵作用の効果で、
組織全体が明るいムードになると言えます。
つまり「褒める」ということは性別や年齢を越えた
コミュニケーションの手段であるとも言えるでしょう。
また脳科学の見地から見ても
「褒める」という行為には大きなメリットがあることが判明しています。
脳内分泌の一種で「癒しホルモン」と言われているオキシトシン、
実は他人を褒めるという行為を行うとオキシトシンが分泌されるということが
分かってきました。
このオキシトシンは一昔前まで女性特有の分泌物質と考えられていましたが、
近年の研究で性別に関係なく分泌され、
更に年齢にも関係なくいつでも分泌されるものということが分かったのです。
オキシトシンの分泌で人は、ストレス軽減、心的リラックス、
血圧上昇の抑制、心肺機能の改善、免疫力の向上などに結びつくといわれています。
一方、褒められた側にも脳内には有効物質が分泌されます。
それは「快感ホルモン」の一種ドーパミンです。
褒められたことで脳内にあるA10神経という箇所が刺激されて
強い快感を得ることになります。
それをきっかけに、次もそれを維持したいという欲求が生まれ、
その結果「期待に応えるべく行動する」という流れが生まれます。
このように褒めたり、褒められたりが常態化してくると、
組織全体への波及効果とともに、個人の人材育成や人材開発にも役立てることが
可能となります。
行動心理学や社会心理学では褒めることの重要性が説かれていますが、
その中でも会社といった組織に、今からでも実践できる「褒め方」のポイントがあります。
それは・・・
「すかさず褒めること」
「具体的に褒めること」
です。
特にこれらを相手の目を見ながら褒めることで効果が高まります。
具体的に褒める事例としては、受賞された方が何故受賞されたのかを明確にし、
参加者全体に分かるようにする。これはとても大事なことで表彰の時に
具体的に「何故」を掘り下げてあげることを意識しみましょう。
一番ポピュラーな手法としては、プレゼンなどがあるかもしれません。
こういった事例もいかがでしょうか?
会社などの組織の中では「褒められる」ということは
「報われる」とか「認められる」という感情と同列にあり、
この時分泌されるドーパミンによって快感を得てヤル気が湧き、次の行動を奮起させます。
この流れが出来ると、脳はドーパミンを引き出しやすくしようとして、
その人の行動や考え方までも変えていくという性質があります。
このように「褒める」という行為は相手のみならず、
自分自身にも良い影響をもたらすもので、
互恵作用にあるようなシナジー効果が高く組織と個人を大きく変革させる効果があります。
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