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ある洋菓子チェーン企業の接客コンテスト。なぜこの店の皆さんは、接客は良いのか?

今回は、接客コンテストについて書きたいと思います。僕たちGROWSは様々な企業様の接客コンテストをサポートしています。いろいろな事例はあるのですが、今一緒に取り組みをさせていただいてい企業様の事例から得た学びを発信できればと思います。

こんな悩みがあると思います。店舗数が増えてくるとサービスの品質がバラけてきたり、商品がぶれてきたり、お客様への対応が思うように全スタッフに共有できなかったりと。課題感が色々と浮き彫りになってくると思います。

実は、私も飲食店を複数店舗運営しています。やっぱり10店舗とか増えていくと少なからずばらつきが出てきて、自分一人では目が届かなくなり、知らないところでトラブルがあったり事故があったりするものです。それを考えると全国展開しているチェーン店の企業や多店舗展開をしている企業のナレッジというのはとてつもないものがあると自分の体験談からも思います。率直に尊敬すらあります。私もチェーン店の基礎は学んできました。チェーンストア理論とよばれる教科書のようなものは学び、それなりに理解もしていたはずなのに、自分で実践するとうまくいかなかったわけです。やっぱり実践している人と知っている人の差は果てしなく大きいと店舗運営に関しては思います。

というわけで、今回はそんな店舗運営を自分でもしながら、社内イベントをサポートしている私の観点でこの事例について考えていきたいと思います。

全国チェーン店の規模の企業には多くの社員さんやアルバイトスタッフさんが働いています。この皆さんと一緒にサービスを提供していくことの難しさを痛感しています。分かっているからこそ、社内文化づくりを一緒に取り組ませていただきたいと思います。

チェーンストアの凄さとはなにか?

チェーンストアとは、何なのでしょうか?皆さんの街の中にもたくさんあると思います。同一ブランドで基本同じ販売方法で、同じ商品を提供している店舗が10店舗以上あるとチェーンストアと呼ぶそうです。僕は最大で10店舗ほどだったのでギリギリなラインですね(笑)

では、この10店舗に同じ品質で同じ商品を提供するためにどうすればよいのか?内装を一緒にする・商品の価格を一緒にする・製造方法を一緒にするなどあると思います。そして接客も一緒にしなければなりません。どの店に行っても気持ちよい空気が流れていて、同じホスピタリティがある。普通に考えて、これができるってどれだけ難しいかわかりますか?

なぜながら、人の気持ちやコンディション、性格などはバラバラです。最近だと国籍もバラバラです。そのさまざまなバックボーンのみんなを共通の価値観の基、同じ方向を向かせるわけです。簡単ではないと思いますし、非常に難しいことだと思います。おそらく街中にあるチェーン店のお店の1店舗にはあるビアとスタッフが20名~40名ほどいるでしょう。40名というと学校で言うところの一クラスです。一クラスが同じ気持ちになるってそれだけで結構ハードル高いと思います。

チェーン店の凄さというのは、商品や立地、内装よりそれらを運営する人のマネジメントにある訳です。

今回お手伝いしている洋菓子チェーン店さんの接客コンテストの話

私たちで、ある全国展開している洋菓子チェーン企業様の接客コンテストをサポートしています。この企業様は毎年接客コンテストを自社で行っていました。自社で行っている接客コンテストの一部分をサポートいただきたいということでご相談をもらいました。こちらの企業様は予選にこだわりを持っており、全国の店舗でエントリーされたスタッフさんのところに撮影に行かせていただき接客シーンを動画化しての動画審査を行っています。

この各店舗の動画撮影の部分を協力させていただいています。実際に私も各店舗を回っていて思うのですが、とにかくどの店舗に行ってもホスピタリティが半端なく良いわけです。もちろんコンテストだからということはあるかもしれませんが、それを差し引いても皆さん本当に接客が気持ちいいのです。カメラを回している自分が思うということは、きっとお客様にも届いていると思う訳です。商品のおいしさに合わせて、このホスピタリティがこの業態の強さなのだと体感でわかりました。お客様の視点でカメラを回させていただき、実際に接客を受けながら動画化しています。

では、なぜこの洋菓子チェーン企業様はこんなに接客が良いのでしょうか?

接客コンテストからみる店舗への愛着

多くの店舗を回りながら、たくさんのスタッフさんと会話をさせていただいています。接客の動画撮影をしながら、会話をすると色々感じることがあります。一番はスタッフが店舗に愛着があるということです。この企業様はどの店舗に行ってもスタッフの皆さんが楽しそうに自分お店の自慢や良いところを話してくれます。その何気ない会話の節々に愛着を感じます。

自社の商品が好き。このお店が好き。

この「好き」という力は偉大でして、どんなマニュアルをも凌駕する力を持っています。毎年行っているコンテストにも前向きに取り組まれています。

接客コンテストというと、「一番上手い人を決める場」というイメージを持たれることが多いのですが、実際の価値はそこではありません。

本質は、「接客の基準を揃えること」と「お店への愛着を育てること」。

この2つを同時に実現できる点にあります。

まず、基準が揃うということ。
接客はどうしても個人差が出やすい仕事です。丁寧さや気遣いのレベルは人によってバラバラになりがちです。ただ、コンテストに向けたトレーニングを通じて、「このお店としての接客とは何か」が言語化され、共有されていきます。
そうすると、誰が接客しても一定以上のクオリティが保たれるようになる。これは現場にとって非常に大きな変化です。

そしてもう一つ、見逃せないのが“愛着”です。

コンテストに向けて練習を重ねる中で、スタッフ同士でアドバイスし合ったり、うまくいった接客を共有したりする時間が生まれます。このプロセスの中で、「このお店をもっと良くしたい」という気持ちが自然と育っていくんです。

実際に現場を見ていると、接客が良い店舗ほど、この自分たちのお店という意識が強い。
やらされている接客ではなく、自分ごととして向き合っているのが伝わってきます。

接客コンテストは、スキルを競う場であると同時に、チームの一体感をつくる場でもある。
この2つが噛み合ったとき、接客の質は一気に引き上がります。

だからこそ、単なるイベントで終わらせるのではなく、「組織づくりの施策」として設計することが大切かなと思います。

では、接客コンテストはどう立ち上げるべきか

ここまでの話を踏まえると、接客コンテストは思いつきで始めるものではありません。
むしろ「何を揃えたいのか」「どんな組織にしたいのか」から逆算して設計する必要があります。

まず最初にやるべきは、目的の言語化です。
例えば「接客レベルを底上げしたい」のか、「店舗ごとのばらつきをなくしたい」のか、それとも「スタッフのモチベーションを上げたい」のか。

この軸が曖昧なまま進めてしまうと、評価基準もブレますし、参加する側も何を目指せばいいのか分からなくなります。逆に、ここが明確だとコンテスト全体の設計が一気に楽になります。

次に重要なのが、評価基準の設計です。
ポイントは、誰が見ても分かるレベルまで具体化すること。

「笑顔が良い」ではなく「お客様と目が合ったタイミングで自然な笑顔が出ているか」
「丁寧」ではなく「商品の説明が一言添えられているか」

ここまで落とし込むことで、現場に持ち帰れる“再現性のある接客”になります。

そしてもう一つ、意外と大切なのがプロセスの設計です。
いきなり本番ではなく、事前のトレーニングや店舗内での練習期間をしっかり設ける。

この期間こそが、基準を揃え、愛着を育てる一番のポイントです。
コンテスト当日はあくまで「発表の場」であり、本質はそこまでの過程にあります。

最後に、終わり方も設計しておくこと。
結果発表だけで終わるのではなく、良かった接客を全店舗に共有する、動画として残す、現場で使える形に落とし込む。

ここまでやって初めて、コンテストが一過性のイベントではなく、組織に残る施策になります。

接客コンテストは、やり方次第で現場を変える強いきっかけになります。
だからこそ、丁寧に立ち上げることが大切です。

まとめ

今回の接客コンテストの事例から見えてきたのは、接客の良し悪しは個人のセンスではなく、「仕組み」でつくられているということです。
そしてその仕組みの中心にあるのが、接客コンテストという取り組みでした。

コンテストの本質は、優劣を競うことではありません。
「接客の基準を揃えること」と「お店への愛着を育てること」。この2つを同時に実現する場であることが重要です。

さらに、成果を分けるのは当日ではなく“そこまでのプロセス”です。
事前のトレーニングや現場での対話を通じて、スタッフ一人ひとりが接客を自分ごととして捉えられる状態をつくれるかどうか。ここが大きな分かれ道になります。

接客コンテストは、やり方次第でただのイベントにもなれば、組織を変える強い施策にもなります。
だからこそ、「何のためにやるのか」「何を残すのか」を明確にした上で、丁寧に設計することが大切です。

その積み重ねが、結果としてどの店舗でも質の高い接客が提供できる状態をつくり、ブランドそのものを強くしていきます。

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このコラムを書いた人

株式会社GROWS 島田忍

株式会社GROWS 島田忍

株式会社GROWS代表。企業の周年イベントや社内表彰式、キックオフ、内定式など、インナーブランディングを軸としたイベントプロデュースを多数手がける。単なる「盛り上がり」で終わらせず、組織の想いをカタチにし、人と人をつなぐ企画づくりを信条に、現場第一でプロデュースを行っています。

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