島田の独り言
社内表彰式で一番感動したのは、派手な演出ではなかった。何回も現場を見て感じること
社内表彰式で感動をしてもらいたい。とか感動させたいとかなど様々な思いが事務局側にはあると思います。この「感動」という言葉って意外と身近にあるんだなと思うことを今回書かせていただきたいと思います。
社内表彰式を年間、様々な企業様でお手伝いをしています。その中で感じることや気づきを是非ご紹介できれば良いかなと思っています。
やっぱりやるからには、一人でも多くの参加者の心に届けたいし、何か心に残る演出をしたい。と思う方は多いと思います。そして「うちの会社は予算が少ないから・・・」とあきらめている企業さんももしかしたらいるのではないでしょうか?
僕が忘れられないエピソード
ある企業様のエピソードです。この企業様は周年イベントの中で社長を表彰するという企画がありました。会社を立ち上げた社長。その会社が30周年を迎えるという節目のイベントでした。
企画としては、社長が最後にスピーチをする際に突然映像が流れます。その映像はご家族からのメッセージ動画でした。突然流れる映像に社長もびっくり!そして映像の最後になると・・サプライズが発動します。
映像が突然、会場ホワイエのカメラに切り替わります。そこに映し出されたのは、お子様と奥様でした。会場後方の扉から花束をもってご登場いただき、社長にお祝いのメッセージを直接届けていただきました。お子様が「パパ、いつもお仕事お疲れ様。」と言った瞬間。社長からは涙があふれていました。
30年という年月は、きっと社長にとって我武者羅に会社を育ててきた期間だったと思います。ご家族に負担をかけるシーンももしかしたらあったのかもしれません。そんな裏のエピソードを考えてしまうと、私自身も心が揺れました。参加している社員の皆さんも、真剣なまなざしでステージに注目していました。
感動というのは、つくられるものではなく溢れ出るもの。心が揺さぶられる瞬間というのは、きれいな映像ではなく人の心に触れる瞬間を共有していること。そんな気持ちを感じさせていただきました。多くの表彰式に携わらせていただいていますが、あの時が一番感動させていただいたことを覚えています。
何が心に刺さったのか?
僕個人は、結構感動しやすいタイプなのかもしれません。感情移入をしてしまうことが多くあります。今回の事例のケースで言うと、会社を立ち上げて30年続けていることにまず尊敬と苦労の背景を感じました。自分ゴトに置き換えてみても創業期の苦労や難しさなどがフラッシュバックしてきて、なんとも言えない気持ちになりました。
きっと、この社長も同じような時があったのではないか?とか、苦しい時に家族に相談できたのか?とかいろいろ考えると何とも言えない気持ちが溢れてきてしまい、僕自身が一番感動してしまった訳です。
感動というのは意外と日常にあるのではないかなと思います。いつもは何気なく過ごしている1日かもしれませんが、改めて振り返ってみるととても素敵な日々だったり、努力の結晶が形になって表れていたり、その物語が垣間見えて共感できると人の心が動くのではないかなと思います。
表彰式で大事なのは、その人の物語が見えること
表彰式の企画を考えていると、どうしても「どう見せるか」という話になりがちです。
照明をどうするか、映像をどうするか、登場をどうするか。もちろん、私たちもイベント会社なので、そこはしっかり考えますし、せっかく表彰されるのであれば、受賞者には特別な時間を過ごしてもらいたいと思っています。
ただ、最近はそれ以上に、その人がなぜこの場所に立っているのかを、参加している皆さんにどれだけ伝えられるかが大事だと思うようになりました。
例えば、営業成績1位という結果だけを伝えれば、「すごい人なんだな」で終わります。でも、そこに至るまでにどんなことがあったのか、どんな失敗をして、周囲にどう支えられ、本人がどう踏ん張ったのかまで見えてくると、その人の見え方は大きく変わります。
普段一緒に働いていても、意外とそこまでは知らないものです。
「あの人、そんなことがあったんだ」
「そんな思いで仕事をしていたんだ」
その瞬間に、受賞者が単なる成績の良い人ではなくなってきます。
先ほど書いた社長のエピソードも、30周年という数字だけで考えれば、一つの節目です。でも、ご家族が登場したことで、その30年の裏側にあった時間まで想像できるようになった。
だから、あの瞬間は会場にいた多くの人の心に残ったのだと思います。
派手な演出が悪いわけではない
ここまで書くと、「じゃあ照明や映像はいらないのか?」と思われるかもしれません。
もちろん、そんなことはありません。私自身、派手な演出は好きです(笑)
大きなLEDに受賞者の名前が出て、照明が一気に動いて、音楽が鳴って、会場から大きな拍手が起きる。表彰式だからこそ作れる非日常感はありますし、受賞した本人にとっても、普段の仕事ではなかなか味わえない時間です。
ただ、演出そのものをゴールにしてしまうと、少し違ってくるのかなと思っています。
大きな音を出せば感動するわけでもないし、きれいな映像を流せば泣いてもらえるわけでもありません。
演出というのは、その人が歩いてきた時間や、周りの人が持っている想いを、より伝わりやすくするためにある。
最近は、そんなふうに考えています。
だから映像を作る時も、「かっこいい映像にしましょう」から考えるのではなく、この人のどこを知ってもらいたいのか、誰の言葉が一番届くのか、というところから考えた方が、結果的には良いものになることが多いです。
企画会議ではつい演出アイデアの話が盛り上がります。
でも、本当に時間をかけた方がいいのは、その一歩手前なのかもしれません。
「感動させる」という言葉を、少し違う角度で考えるようになった
表彰式の相談をいただく中で、「社員を感動させたい」という言葉をいただくことは少なくありません。
以前の私は、その言葉を聞くと、「では、どんな演出を入れようか」という方向で考えることが多かったように思います。
今は少し違います。
まず、この会社にはどんな人がいるのか?今回表彰される人は、どんな仕事をしてきたのだろうか?
そこを知りたいと思うようになりました。
感動させるための材料を探すというより、すでに会社の中にあるものを探しにいく感覚に近いかもしれません。
今回書いたご家族の話も、私たちがゼロから作った物語ではありません。
もともとそこにあった30年間と、ご家族との関係があって、私たちはそれが伝わる場を作っただけです。
この違いは結構大きいと思っています。
人の気持ちは、イベント会社が自由に作れるものではありません。
でも、普段は見えにくい想いや背景に光を当てることはできます。
その結果として、本人の気持ちが動き、周りの社員にも何かが伝わる。
そういう表彰式が作れた時は、終わった後にすごく良い感覚が残ります。
表彰式は、受賞者だけのものでもない
もう一つ、表彰式を作っていて感じることがあります。
表彰されるのは数人かもしれません。
でも、会場には何百人、場合によっては1000人以上の社員がいます。
当然、その大半は受賞しません。だからこそ、受賞者だけが気持ちよく終わる表彰式では、少しもったいないと思っています。
誰かの頑張ってきた過程を知ることで、「自分ももう少し頑張ってみよう」と思う人がいるかもしれないとか、
長く一緒に働いてきた仲間の受賞を見て、自分まで嬉しくなる人もいるかもしれません。
表彰式という場には、そういう感情が同時にたくさん存在しています。
私は、この空気がすごく好きです。
受賞者が一人で主役になるのではなく、その人を見ている周りの人たちの気持ちまで少し動く。
そこまで作ることができたら、表彰式を開催した意味はかなり大きいのではないでしょうか。
最後に
今回、昔の現場を思い出しながら書いてみました。
あの時、社長が涙を流したことは今でも覚えています。
でも、私の中に一番残っているのは、その涙そのものではありません。
会場にいた社員の皆さんが、普段とは少し違う目で社長を見ていたことです。
会社の社長としてではなく、一人の父親であり、一人の人間として見ていた。
表彰式を作っていると、「もっと派手にできないか」「もっと感動的にできないか」と考えることがあります。
でも、もしかすると最初に探した方がいいのは、演出ではないのかもしれません。
その会社の中にどんな人がいて、どんな時間を過ごしてきたのか。
そこを丁寧に見ていくと、すでに良い物語はたくさんあります。
私たちイベント会社の仕事は、それを無理やり感動的に作り替えることではなく、普段は見えないものが少し見えるようにすることなのかなと思っています。
感動というのは、こちらから「はい、ここで感動してください」と作れるものではありません。
でも、人の心に触れるきっかけを作ることはできる。
これからも、そんな表彰式を一つでも多く作っていきたいと思います。
関連記事
社内イベントの本番中、スタッフはインカムで何を話している?イベント運営の舞台裏を解説
「本番5分前ですが、進行を変えたいです」社内イベントの現場で何を判断するのか

ご依頼内容や課題をヒアリングのうえ、最適なご提案をさせていただきます。
お見積りや、ご相談は無料で承りますので、お気軽にお問い合わせください。


